免疫関連有害事象(irAE)は、免疫チェックポイント阻害薬により免疫のブレーキが解除され、活性化した免疫細胞が正常組織にも炎症を起こす副作用である。皮疹、甲状腺炎、大腸炎、肝炎、腎炎、間質性肺炎、副腎不全、1型糖尿病、筋炎、心筋炎など全身の臓器に生じる。発症時期や重症度は多様で、治療後に遅れて現れることもある。早期発見には症状確認と血液・生化学・内分泌検査の継続的モニタリングが重要である。
免疫関連有害事象(irAE)の発生率は、薬剤種類、併用療法、がん種、評価方法で大きく変わる。一般に抗PD-1/PD-L1単剤より、抗CTLA-4抗体や併用療法で高く、重症例も増える。CTLA-4阻害薬では大腸炎・下垂体炎・皮疹、PD-1/PD-L1阻害薬では肺障害・甲状腺機能異常が比較的目立つ。
現状は「予測」よりも事前スクリーニング+継続モニタリング+早期介入が重要である。
| 甲状腺機能異常 | 5〜20%前後 | TSH・FT4異常、倦怠感、動悸 |
| 大腸炎・下痢 | 5〜15%、CTLA-4系で高い | 下痢、腹痛、血便 |
| 間質性肺炎 | 1〜5%前後、肺がんで注意 | 咳、息切れ、低酸素 |
| 下垂体炎・副腎不全 | 1〜10%、CTLA-4系で多い | 倦怠感、低Na、ACTH・コルチゾール低下 |
| 心筋炎・神経筋障害 | 1%未満が多い | CK、トロポニン上昇、筋力低下、不整脈 |