COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙や粉じん・大気汚染などの有害粒子を長期間吸入することで、気道と肺胞に慢性炎症が起こる疾患である。気道狭窄と肺胞破壊により息を吐き出しにくくなり、労作時息切れ、慢性の咳、痰を生じる。COPDは世界第4位の死亡原因で、2021年に約350万人が死亡し、全死亡の約5%を占める。診断はスパイロメトリーで気流閉塞を確認する。


WHOの2021年世界死亡原因データでは、主要4疾患の比率は以下の整理になる。

順位死亡原因死亡数世界全死亡に占める比率
1位虚血性心疾患約910万人約13%
2位COVID-19約880万人約13%
3位脳卒中約680万人前後約10%
4位COPD約350万人約5%



COPDの機序:4ステップ

  1. 有害粒子の長期吸入
    喫煙、粉じん、大気汚染などを長期間吸入し、気道上皮や肺胞に慢性的な刺激が加わる。
  2. 慢性炎症の持続
    マクロファージ、好中球、CD8陽性T細胞などが活性化し、炎症性サイトカインや蛋白分解酵素が放出される。
  3. 気道狭窄と肺胞破壊
    細気管支では壁肥厚、粘液分泌増加、線毛機能低下が起こる。肺胞では弾性線維が破壊され、肺気腫により空気を押し出す力が低下する。
  4. 気流閉塞とガス交換低下
    息を吐き出しにくくなり、肺内に空気が残る。進行すると労作時息切れ、慢性の咳・痰、低酸素血症、肺高血圧、右心負荷へ進展する。













COPDの胸部X線では、肺気腫による過膨張所見が中心となる。肺野は黒く透過性が亢進し、横隔膜は平坦化・低位化する。心臓は細長く見え、胸郭は樽状胸郭に近づく。側面像では胸骨後腔が拡大し、肺の過膨張を反映する。進行例では肺血管陰影が乏しくなり、ブラ・肺嚢胞を認めることもある。ただし、軽症COPDでは胸部X線で明らかな異常が出ないことも多く、診断にはスパイロメトリーでの気流閉塞確認が重要である。





























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