重症喘息に用いられる生物学的製剤

重症喘息に用いられる生物学的製剤は、通常の吸入ステロイドや気管支拡張薬で十分に制御できない症例に追加する抗体薬である。IgE、IL-5、IL-5受容体、IL-4/IL-13経路、TSLPなどを標的とし、好酸球性炎症やアレルギー反応を抑える。代表薬はオマリズマブ、メポリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブ、テゼペルマブで、増悪回数や経口ステロイド使用量の低減を目的に選択される。



標的代表薬主な対象
IgEオマリズマブアレルギー性喘息
IL-5メポリズマブ、レスリズマブ好酸球性喘息
IL-5受容体ベンラリズマブ好酸球性喘息
IL-4/IL-13経路デュピルマブType 2炎症、好酸球高値、FeNO高値
TSLPテゼペルマブより上流の気道上皮由来炎症を抑制



デュピルマブは、IL-4受容体αサブユニット(IL-4Rα)に結合するヒト型モノクローナル抗体である。IL-4RαはIL-4受容体とIL-13受容体に共通する構成要素であり、ここを遮断することでIL-4とIL-13のシグナル伝達を同時に抑制する。



喘息ではIL-4、IL-13がType 2炎症を進め、IgE産生、好酸球性炎症、粘液分泌、気道過敏性、気道リモデリングに関与する。デュピルマブはこの炎症経路を上流で抑えることで、気道炎症を軽減し、喘息増悪の抑制、呼吸機能改善、経口ステロイド使用量の低減を狙う。

4ステップで整理

  1. Type 2炎症が活性化
    Th2細胞やILC2からIL-4、IL-5、IL-13が産生される。
  2. IL-4 / IL-13が受容体へ結合
    IL-4Rαを含む受容体を介して、IgE産生、粘液分泌、気道過敏性が進む。
  3. デュピルマブがIL-4Rαを遮断
    IL-4シグナルとIL-13シグナルの両方を抑える。
  4. 気道炎症が低下
    Type 2炎症が弱まり、増悪頻度、喘鳴、呼吸困難、粘液過多の改善が期待される。



















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