深在性真菌感染症は、カンジダやアスペルギルスなどの真菌が血液、肺、臓器、髄膜など体内深部に侵入して起こる重篤な感染症である。原因真菌の一部は皮膚・口腔・腸管などに存在する常在菌で、健康な人では通常発症しにくい。しかし、抗がん薬治療、臓器移植、ステロイド使用、糖尿病、長期抗菌薬投与、中心静脈カテーテル留置などで免疫防御が低下すると発症リスクが高まる。敗血症や肺炎を起こし、早期診断と抗真菌薬治療が重要となる。
| 項目 | カンジダ | アスペルギルス | ムコール |
|---|---|---|---|
| 分類 | 酵母様真菌 | 糸状菌・カビ | 接合菌類に近い糸状菌群 |
| 主な存在場所 | 皮膚、口腔、腸管、腟などの常在菌 | 土壌、空気中、ほこり、建物内環境 | 土壌、腐敗植物、ほこり、環境中 |
| 代表的な病態 | カンジダ血症、播種性カンジダ症 | 侵襲性肺アスペルギルス症 | ムーコル症、鼻脳型・肺型・皮膚型 |
| 主な侵入経路 | 皮膚・腸管・カテーテルから血流へ | 胞子を吸入して肺へ | 胞子吸入、創部侵入、消化管侵入 |
| 多い患者背景 | ICU、中心静脈カテーテル、長期抗菌薬、手術後 | 好中球減少、血液悪性腫瘍、移植、ステロイド | 糖尿病性ケトアシドーシス、好中球減少、移植、ステロイド、鉄過剰 |
| 検査 | 血液培養、β-Dグルカン、培養、PCR | CT、ガラクトマンナン抗原、β-Dグルカン、培養、PCR | CT、病理、培養。β-Dグルカンは陰性になりやすい |
| 治療薬例 | エキノキャンディン系、アゾール系 | ボリコナゾール、イサブコナゾール | リポソーマルアムホテリシンB、ポサコナゾール、イサブコナゾール |
| 特徴 | 常在菌が血流へ入る | 肺から血管侵襲しやすい | 進行が速く、組織壊死を起こしやすい |
カンジダは常在真菌で、皮膚・粘膜バリア破綻やカテーテルなどを介して血流感染を起こす。侵襲性カンジダ症は入院患者で問題になりやすい。(CDC)
アスペルギルスは環境中のカビで、胞子を吸入して肺に到達する。好中球減少や移植後、ステロイド使用などで排除できないと、肺炎から血管侵襲・播種へ進む。
ムコールは環境中に存在する糸状菌群で、ムーコル症を起こす。糖尿病性ケトアシドーシス、移植、好中球減少、長期ステロイド、鉄過剰などが重要なリスク因子で、鼻副鼻腔から眼窩・脳へ進展する鼻脳型や肺型が重篤である。(who.int)