欧州では薬剤耐性対策として、抗菌薬の適正使用、処方量の監視、ガイドライン運用、医師教育が進められている。英国、オランダ、北欧諸国では、外来の呼吸器感染症で不要な抗菌薬処方を減らすため、CRP迅速検査を活用する事例が多い。CRP低値では細菌感染の可能性が低いと判断し、経過観察や遅延処方を選択しやすくなる。高値では肺炎などを考慮し治療判断を補助する。ただしCRP単独ではなく、症状、診察所見、重症度と合わせて判断することが重要である。
CRP迅速検査の活用度は、公開資料では厳密な国別順位が統一されていないため、普及度・償還制度・ガイドライン採用から見た実務上の順序として整理する。
ノルウェー
一般診療でCRP POCTが非常に普及。北欧では多くのGP診療所がCRP測定器を保有するとの報告がある。(ICHO Platform)フィンランド
CRP POCT機器の開発・普及が早く、北欧型の外来感染症診療で活用が進んでいる。(ICHO Platform)スウェーデン
STRAMAなどの抗菌薬適正使用対策と組み合わせ、呼吸器感染症診療でCRPが利用される。CRP POCTはノルウェー、スウェーデン、オランダのガイドラインに含まれると報告されている。(BMJ Open)デンマーク
北欧諸国としてCRP POCTの利用環境が整っており、抗菌薬処方抑制の補助として使われる。スイス
CRP POCTはプライマリケアで広く使われ、償還制度があるためGPが日常的に実施している国の一つとされる。(MDPI)オランダ
GP診療でCRP POCTが定着しており、償還制度もある。臨床判断と組み合わせて抗菌薬処方抑制に使われる。(MDPI)英国
NICEなどで下気道感染症の判断補助としてCRP POCTが示されているが、北欧・スイス・オランダに比べると普及は限定的とされる。(springermedizin.de)アイルランド
CRP POCTのHTA評価が行われ、急性呼吸器感染症で抗菌薬処方判断を支援する検査として検討されている。(hiqa.ie)
まとめると、北欧諸国、スイス、オランダが先行群、英国・アイルランドは制度評価・導入拡大段階と整理できる。
NICE、Public Health England系のガイドライン
下気道感染症で肺炎診断が不明確、かつ抗菌薬処方の判断に迷う場合にCRP POCTを考慮。目安として、CRP<20 mg/Lでは抗菌薬なし、20〜100 mg/Lでは遅延処方、>100 mg/Lでは抗菌薬を検討する運用が示されている