深在性真菌感染症は、免疫防御が低下したときに発症しやすい。特に好中球減少が長く続くと、カンジダやアスペルギルスを排除できず、血流・肺・臓器へ侵入しやすくなる。抗がん薬、血液悪性腫瘍、造血幹細胞移植、ステロイド・免疫抑制薬、糖尿病、低栄養、長期抗菌薬投与、中心静脈カテーテルなどが重なると、常在菌や環境真菌が重篤な感染症へ進展する。
「多い順」は対象疾患で少し変わる。カンジダ症はICU・カテーテル・抗菌薬関連が多く、アスペルギルス症は好中球減少・移植・ステロイド関連が中心となる。スライド用には以下の順で整理すると扱いやすい。
| 順位 | 免疫低下・発症リスクの原因 | 主に関係する真菌症 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1 | 抗がん薬・血液悪性腫瘍による好中球減少 | アスペルギルス、カンジダ | 深在性真菌症の代表的ハイリスク。特に長期好中球減少は重要 |
| 2 | ステロイド・免疫抑制薬・生物学的製剤 | アスペルギルス、クリプトコッカス、ムーコル、カンジダ | 自己免疫疾患、移植後、悪性腫瘍治療などで問題になる (J-Stage) |
| 3 | 造血幹細胞移植・臓器移植後 | アスペルギルス、カンジダ、ムーコル | GVHD、免疫抑制薬、CMV再活性化などが重なる (日本科学技術連盟) |
| 4 | 中心静脈カテーテル・高カロリー輸液・ICU管理 | カンジダ | 皮膚・腸管由来のカンジダが血流へ侵入しやすい |
| 5 | 広域抗菌薬の長期投与 | カンジダ | 細菌叢が乱れ、常在カンジダが増殖しやすい (日本科学技術連盟) |
| 6 | 大手術後・消化管粘膜障害・消化管穿孔 | カンジダ | 腸管バリア破綻により真菌が体内へ侵入しやすい |
| 7 | 糖尿病、腎不全、肝不全、低栄養 | カンジダ、ムーコル、アスペルギルス | 特にコントロール不良糖尿病やアシドーシスはムーコル症リスク |
| 8 | 人工呼吸器、長期入院、重症感染症 | カンジダ、アスペルギルス | ICUで複数リスクが重なりやすい |
要点
深在性真菌感染症は単一原因より、免疫低下+侵襲的デバイス+抗菌薬使用+長期入院が重なって発症することが多い。カンジダは「常在菌の血流侵入」、アスペルギルスは「吸入胞子を排除できない状態」と捉えると整理しやすい。