肺がんの腫瘍マーカーは、診断補助、組織型推定、治療効果判定、再発・増悪の監視に使われる血液検査である。ただし、単独で肺がんを確定したり、早期発見のスクリーニングに使ったりする検査ではない。日本肺癌学会の診療ガイドラインでも、腫瘍マーカーのみでは肺癌検出率の向上は得られず、偽陽性・偽陰性があるとされる。
| 腫瘍マーカー | 関連しやすい肺がん | 主な用途 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| CEA | 腺がん | 病勢評価、治療効果判定、再発監視 | 肺腺がんで上昇しやすいが、喫煙、炎症、他臓器がんでも上昇する |
| CYFRA21-1 | 非小細胞肺がん、特に扁平上皮がん | 腫瘍量評価、治療効果判定 | 扁平上皮がんで有用。進行例で高値になりやすい |
| SCC抗原 | 扁平上皮がん | 組織型推定、経過観察 | 扁平上皮がんの補助マーカー。皮膚疾患や腎機能低下でも上昇することがある |
| ProGRP | 小細胞肺がん | 小細胞肺がんの診断補助、病勢評価 | 小細胞肺がんで特に有用。腎機能低下で高値になることがある |
| NSE | 小細胞肺がん、神経内分泌腫瘍 | 治療効果判定、再発監視 | 溶血で偽高値になりやすく、検体取扱いに注意が必要 |
| SLX | 腺がん | 補助的な病勢評価 | 腺がんや進行例で上昇することがあるが、単独診断には不向き |
| CA125 | 腺がん、胸膜播種・胸水例 | 進行例の補助評価 | 胸膜病変や胸水を伴う例で参考になることがある |