肺がん

肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化して増殖する悪性腫瘍で、腺がん・扁平上皮がん・小細胞がんなどに分類される。主な原因は喫煙で、受動喫煙、アスベスト、ラドン、PM2.5、職業性曝露、遺伝的素因も関与する。日本では2023年に約12.4万人が新たに診断され、2024年の死亡数は75,569人。男性ではがん死亡の第1位、女性でも上位を占める重要ながんである。









がん死亡数:臓器・部位別ランキング 2024年

男性

順位がん部位死亡数
1肺がん52,333人
2大腸がん28,826人
3胃がん24,720人
4膵臓がん20,371人
5肝臓がん15,133人

女性

順位がん部位死亡数
1大腸がん25,590人
2肺がん23,236人
3膵臓がん20,864人
4乳がん15,869人
5胃がん13,147人

男性は肺がんが突出して最多。女性は大腸がんが最多で、肺がん、膵臓がんが続く。膵臓がんは男女とも上位に入り、死亡数で見ると臨床的インパクトが大きい部位といえる。(jcancer.jp)



ここでは「患者数」を、全国がん登録で公表される新規にがんと診断された人数=罹患数として整理する。最新公表値は2023年診断例で、上皮内がんを除く集計。全がん罹患数は993,469人、内訳は男性556,059人、女性437,406人。(国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)

がん患者数〈罹患数〉臓器・部位別ランキング 2023年

男性

順位部位罹患数男性がん全体に占める割合
1前立腺102,094人18.4%
2大腸〈結腸・直腸〉85,208人15.3%
381,381人14.6%
471,135人12.8%
5膵臓23,761人4.3%

男性では前立腺がんが最多で、次いで大腸、肺、胃。死亡数では肺がんが最多になりやすいが、罹患数では前立腺がんが上位に出る点が重要。

女性

順位部位罹患数女性がん全体に占める割合
1乳房102,592人23.5%
2大腸〈結腸・直腸〉68,830人15.7%
342,607人9.7%
433,729人7.7%
5子宮30,738人7.0%

女性では乳がんが最多で、女性がん全体の約4分の1を占める。次いで大腸、肺、胃、子宮の順。

まとめ

性別罹患数最多特徴
男性前立腺がん高齢男性で多く、罹患数では第1位
女性乳がん女性がん全体の23.5%で最多
男女共通で多い部位大腸・肺・胃男女とも上位に入る主要がん

注意点として、これは「現在治療中の患者数」や「通院患者数」ではなく、2023年に新たに診断されたがん罹患数。医療需要や検査件数の資料では、この罹患数ランキングを使うのが最も扱いやすい。



肺がんのうち生涯非喫煙者に発症する肺がんは、近年の総説で女性とアジア人に偏る疾患像として整理され、2023年時点で世界のがん関連死亡原因の上位を占める独立した病態群とみなされている。さらに、非喫煙の東アジア女性の肺腺癌ではEGFR変異が60–74%に達しうることが報告されており、エストロゲン仮説はこの疫学像の説明要因のひとつとして検討されてきた。もっとも、この時点で重要なのは、エストロゲン仮説は「女性・非喫煙・東アジア」という臨床像と整合するが、それだけで十分な説明にはならないという点である


現時点で言えるのは、「エストロゲンは肺がんに無関係ではない」が、「エストロゲンが肺がんを一義的に引き起こすとまでは言えない」ということである。

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